- 歌曲
- 时长
简介
ありそうでなかったPIPERのベスト盤の登場である。 ユピテル時代の『Summer Breeze』(83年)、『Gentle Breeze』(83年)、『Sunshine Kiz』(84年)、そしてムーンに移籍してからの『LOVERS LOGIC』(85年)、以上4枚からのセレクションだ。デビュー・アルバム『I’M NOT IN LOVE』(81年)を外してあるのは、 外部からのアレンジャーやレコーディング・メンバーが関わっていてサウンドが それ以降とは違うという判断から。 インストと歌モノをバランスよく絡めた聴きやすい選曲でまとめられており、 明るい太陽のもと、そして陽が傾く夕暮れ時から夜にかけて、両方のリゾート感覚が心地よくサウンドしている。日差しの中にも影があるような、独特のシェイド感。 これがPIPERの個性であり、ちょっとひんやりした感触のカッコよさはまさに「COOL」と呼ぶにピッタリのサウンドだ。 メンバーはリーダーの山本圭右(G/Vo)、志間貴司(Key)、井藤 弥(B)、の3人。 レコーディングには山本圭右の実弟で『LOVERS LOGIC』から井藤に代わって正式メンバーとなる山本耕右(G/Bほか)、村田バンドの盟友である村田和人と小板橋博司(Cho)が参加。他には打ち込みのプログラミング、パーカッション、曲によっては生のドラムも入ったりする構成だ。 そこから生み出されるPIPERのサウンドは、まず山本圭右のメロディ・メイカーとしての資質と、これぞストラトキャスターという絶妙なギター・トーンが中心。 しかし全体のカギを握るのは、涼しいコードワークと綺麗な音色で歌を包み込む 志間のキーボードなのだろう。そして村田&小板橋によるコーラスもPIPERのサウンドに独特の清涼感を与えており、その功績は大きい。 それにしても近年の世界的なジャパニーズ・シティ・ポップの大ブームには驚くばかりだ。 確かに、PIPERの音楽にはそういった側面から再評価されるだけの要素がたくさんある。 そしてインターネットの功績もあり、PIPERの音楽が世界中に広がり共感する音楽ファンが 増えたことは誠に喜ばしい。昔からのファンとしては、今になって時代がPIPERに追いついたような不思議な気持ちだ。だからこそ、今のタイミングで作るベスト・アルバムに意義がある。 ボーナス・トラックとして収録された「Sunshine Kiz」の84年ライヴ・バージョンも、 ファンへのスペシャルなプレゼントだ。 このアルバムがまだPIPERを知らない人の手に届き、新たなファンを 獲得していくことを願ってやまない。