約1年半ぶりとなる、{LOVE}をテーマにしたDEEN待望の5thアルバムの登場。初の全曲メンバー楽曲&セルフ・プロデュースで、今まで以上にバンドの個性があらわれた好作品だ。 シングルになった冒頭の「Power of Love」は、“愛を信じましょう みんなで歌いましょう”という楽しげな曲で、その雰囲気を強く出すために雑多な人々の合唱が、印象的にフィーチャーされている。さらにはみんなで歌っている生っぽさを出すために、スタジオでの歌い始め歌い終わりの雰囲気を、そのまま残している。 こんな、まるで『みんなのうた』で歌われるとぴったりのようなオープニング・ナンバーが、今回のアルバムのテーマを雄弁に物語っていて、それは“LOVE”。“愛にあふれたアルバム”というのが、コンセプトだ。 それに則って、いわゆる恋愛の意味のラブ・ソングもあれば、もっと大きな意味のラブ・ソングも。またサウンド的には打ち込みをなくし、生音にこだわった作り方がされていて、それもまた人間味のある、ある意味愛を感じさせる音の質感になっている。温かみのある作品といえるか。 (角野恵津子) --- 2000年06月号