――――そこは、神々に捧げる巫女の詩編が紡いだ園。 淡く虹色に滲んだ空がどこまでも広がる。 真っ白な羽を持つ小鳥たちは囀ずり、硝子細工のように透明な蝶々がひらひらと宙を舞う。 若草に咲いた花々の、七色の花片がそよ風に運ばれ、仄かに甘い香りが辺りに漂った。 崩れた神殿は波間に沈み、小さな蕾をつけた蔦が這う。 紺碧の水面には夜空に瞬く星々が宝石のように眠っていた。 やわらかな光に満ち溢れた園。 どこからともなく聴こえてくるのは、誰かの歌声。 炎火を纏った舞姫の絶唱。 皇を守護する承女たちの謌。 聖女の祈りは厳かに唱えられる。 浮かんでは消える泡沫のように、儚く美しく。 娘たちの想いを天に届ける。 永えに織られた詩編の錦が彩る。 ここは『Priestess Garden～巫女の庭～』 あまたのうたが捧げられた、遥かなる庭。