简介
90年代初頭で男性デュオと言えば、まずclassが挙がるだろう。「夏の日の1993」も確かに素晴らしい曲だったが、自分はこの「24時間の神話」も魅力ある曲だと思う。classが誰もが知る「派手な一発屋」だとしたら、voiceは「地味なロングセラー」だった。classの名を多くの人が記憶していても、voiceの名は当時から殆ど知る人はいなかっただろう。当然である20位30位台を常にキーブしていたが、そのロングセラーぶりは凄まじく、同時期の「最後の雨」にも劣らない程だった。しかし、この曲に関しては聴けば記憶している人は、相当数いると思われる。昼ドラのタイアップという、けして恵まれてはいなかったが、やはり曲がいかに魅力的であったからだろう。 「夏の日の」と「24時間」を比較すると前者は「陽」、後者は「陰」というイメージがある。やはりメロディーに委ねられる部分が大きいと思われ、思わず引き合いに出すのが同じく80年代でヒットを飛ばした男性デュオ狩人と雅夢だ。特に雅夢に近い雰囲気を感じる。voiceは、80年代のアコースティック感を更に少々のデジタルを加味して、聴き易い輝いたサウンドを奏でているようだ。本曲の特徴としてオーケストラ的な波のある展開にあると思う。冒頭は、抑え目の展開だがサビ前でフレーズのリピートがなされる。この表現方法こそが男性デュオの強みだろう。そしてサビは、いっきに畳み掛ける展開で、日本人が最もはまりやすい泣きの展開でもある。 もちろん、ボーカリストとしての彼らの技術も十分にあると思う。世代限定で、名曲に推す人も多い曲なのは事実でもあり、今の若者等当時を知らない人でも是非聴いてもらいたい曲でもある。