今年（2011年）にソロ·シンガーとしてメジャー·デビューを果たした吉川友の3枚目のシングル。前2作は、CDの各仕様によってカップリング曲が異なっていたが、今作は全共通曲目である（通常版は、タイトル曲のリミックス·ヴァージョンが追加されているが）。 テンポの良いリズムに合わせ、早口風な歌唱で始まる「こんな私でよかったら」は、重ねられたバック·コーラスが印象的な中サビを経て、力強いサビヘと発展して行く楽曲で、ポップでありながらクール、歯切れよくリズムが刻まれるがキャッチーという絶妙なバランスで成り立っている。カップリング曲「Early Snow」は、この時期にぴったりのウィンター·ソングでピアノの煌びやかな音色と、切々と歌う吉川氏の歌声が調和し、独自の世界観を醸し出している。本商品のDVDには、「こんな私でよかったら」のビデオ·クリップを収録。前2作は、明るく弾けた作風であったが、本作はシングルとしては新たな方向性を打ち出した1曲と言える。 グループやユニットが主流となっている現在の音楽シーンに、ソロ·シンガーとしてデビューした吉川友だが、本作そしてこれまで発表された作品を聴いても判る通り、新人でありながら相当の実力者である。現在の吉川氏はキャンペーン活動やHello!Projectのコンサートのオープニング·アクトを務めたりと、地道な活動で基盤を固めている最中だ。プロの道は厳しい。だが、何れは自分自身のステージで歌を披露する日がやってくるはず。本作は、それを確信させる程の質の高い作品だ。